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<title>灯りが消えぬように｡</title>
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<description>いつかどこかであった、少し不思議な物語を集めました｡中には信じられないようなお話もあるかも知れません｡そんなときは無理に信じないほうが良いのかも知れません｡</description>
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<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/6607380.html">
<title>無人</title>
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<description>学生の頃はいわゆる新聞少年でした。住み込みで配達のバイトをするやつです。集金に回ることもありました。一人暮らしのマンションは夜にまとめて集金に伺います。中には夜１０時を過ぎても帰宅していないらしい家もあるので、なかなか集金には苦労しました。あるとき、どうしても集金できない家がありました。伝言を残しても販売店まで来てくれません。こんなときは、朝早くの配達途中で集金します。朝は誰でも忙しいので、嫌な顔をされますが仕方ありません。そのとき集金に行った家は、オートロックタイプのワンル...</description>
<dc:subject>０４１~０５０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-09-06T01:07:58+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
学生の頃はいわゆる新聞少年でした。<br />住み込みで配達のバイトをするやつです。<br />集金に回ることもありました。<br /><br />一人暮らしのマンションは夜にまとめて集金に伺います。<br />中には夜１０時を過ぎても帰宅していないらしい家もあるので、なかなか集金には苦労しました。<br /><br />あるとき、どうしても集金できない家がありました。<br />伝言を残しても販売店まで来てくれません。<br />こんなときは、朝早くの配達途中で集金します。<br />朝は誰でも忙しいので、嫌な顔をされますが仕方ありません。<br /><br />そのとき集金に行った家は、オートロックタイプのワンルームマンションでした。<br />配達終わって、少し時間を潰してからその家に行きました。<br />それでも朝６時くらいだったので、人によっては寝てるかも知れません。<br />でもしょうがないので玄関ホールから呼び出しチャイムを鳴らしました。<br /><br />鳴らしてしばらく経って、「・・・はい」と男の人の声がしました。<br />寝起きなのか、ひどくテンションの低い声でした。<br />集金に来たことを告げたら、黙ってオートロックのドアが開きました。<br /><br />エレベータで目的の部屋へ行き、玄関のチャイムを押しました。<br />チャイムの後にちょっと間があって、かちゃりと鍵を開く音がしてドアが少しだけ開きました。<br />が、いくら待っても人が出てきません。<br /><br />仕方ないのでドアを引いてみました。<br />やっぱり玄関には誰もいません。<br />「すいませーん。○○新聞ですー」<br />声をかけましたが、反応がありません。<br /><br />何度声をかけてもチャイムを鳴らしても、反応がありません。<br />奥の部屋からはテレビの音が聞こえています。<br />人がいるのは分かっているので、「あがらせてもらいますよ」と言いながら靴を脱いで上がり込みました。<br /><br />居間のドアを開けると、やはりテレビがついていました。<br />けれども、部屋には誰もいません。<br />念のためトイレ兼シャワーも音を確認してから開けてみましたが、誰もいません。<br />さすがに気味が悪くなってきたのですが、開き直って押入まで確認しました。<br /><br />結局、人がいないのであきらめて帰ることにしました。<br />無人の家なので、余計なこととは思いましたがテレビは消しました。<br />鍵はかけられないのでそのままです。<br /><br />玄関を出てドアを閉めてエレベータへ向かいかけたのですが、ふと気が変わって引き返しました。<br />そしてゆっくりドアを引いてみましたが、鍵がかかっていました。<br />ホテルのドアと同じようなものでしょうか。<br />誰もいないのは分かっていましたが、ついチャイムを押してみました。<br /><strong><span style="color:#FF0000;">がちゃり</span></strong>。<br />音がして、ドアが開き始めました。<br />今度はすかさずドアをつかんで自分で開きました。<br /><br />しかし、<strong><span style="color:#FF0000;">そこには誰もいませんでした</span></strong>。<br />全身に鳥肌が立ち、猛烈な寒気に襲われ、階段を駆け下りてマンションから飛び出しました。<br /><br />店長に今までの出来事を話しましたが、勝手に家に上がるなと怒られただけでした。<br />それから他のバイトがその家に行ってみたようですが、最初から何の応答もなかったそうです。<br />仕方がないので新聞の配達は止めて、あとは店長に措置を任せました。<br />問題の部屋はすぐに空き部屋になったようですが、その後ずっと人が入ることはありませんでした。
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<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/5958517.html">
<title>ご先祖の里帰り</title>
<link>http://100story.seesaa.net/article/5958517.html</link>
<description>小学生ぐらいの頃は、毎年夏休みには田舎の祖父母の家へ遊びに行ってました。両親が共働きだったので、留守中に子供一人で危ないためでもあったと思います。そして、お盆休みの頃だけ両親も祖父母宅へ来ていました。田舎で過ごす時間は、何かと楽しかったと覚えています。近所の子供達ともすぐ仲良くなって、一緒に遊んでいました。山や川で遊んで、虫取りや魚釣りを教えてもらいました。でも、夜になると一人で退屈なことが多かったです。見たいテレビ番組がないと、おもちゃも漫画もなかったので退屈でした。ある日...</description>
<dc:subject>０４１~０５０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-08-16T21:42:35+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
小学生ぐらいの頃は、毎年夏休みには田舎の祖父母の家へ遊びに行ってました。<br />両親が共働きだったので、留守中に子供一人で危ないためでもあったと思います。<br />そして、お盆休みの頃だけ両親も祖父母宅へ来ていました。<br /><br />田舎で過ごす時間は、何かと楽しかったと覚えています。<br />近所の子供達ともすぐ仲良くなって、一緒に遊んでいました。<br />山や川で遊んで、虫取りや魚釣りを教えてもらいました。<br /><br />でも、夜になると一人で退屈なことが多かったです。<br />見たいテレビ番組がないと、おもちゃも漫画もなかったので退屈でした。<br /><br />ある日、村の集会で祖父母が外出してた日がありました。<br />お盆休みで両親も来ていたのですが、別の大人の集まりで出かけていました。<br />私は一人留守番です。<br />テレビにも見飽きたわたしが興味を持ったのは、蚊取り線香でした。<br /><br />ライターで蚊取り線香に火を付けました。<br />先じゃなくて途中から火を付けてみたり。<br />上に紙切れを置いて、次第に焦げていくところを眺めてみたり。<br /><br />そのうち、炎の上がらない蚊取り線香よりも、紙を燃やしたほうが楽しいと思い始めました。<br />新聞紙をちぎって灰皿の上で燃やしました。<br />何度か繰り返すうちに、もっと長く燃やせないかと考え始めました。<br />そして、新聞紙を丸く筒状に加工しました。<br />下から火を付けてゆっくり燃える様を見ようと。<br /><br />わくわくしながらライターで点火しようとしたとき、ふと後ろから手を押さえられました。<br />ふりかえると、知らないおばあさんが座っていました。<br />少し怒った顔をしていたけど、優しそうな顔をしたおばあさんでした。<br /><br />そんなことをしてはいけない、というおばあさんに、退屈でしょうがないと文句を言いました。<br />おばあさんはどこからかお手玉を取り出して、やってみせてくれました。<br />見たことがないくらい上手なお手玉でした。<br />わたしにも教えてくれました。<br />祖父母が帰宅するまでの間、夢中になって練習したりおばあさんに見せてもらったりしました。<br /><br />そのうち、玄関で祖父母が帰ってきた音がしました。<br />わたしは喜んで出迎えに行きました。<br />が、二人を連れて居間に戻ったとき、あのおばあさんはいませんでした。<br /><br />一人で留守番できて偉いねと言う祖父母に、おばあさんと遊んでいたことを話しました。<br />お手玉が上手なおばさんというと、おじいさんは納得したようでした。<br />○○のばあさんだなと。（○○は多分地名だと思います）<br /><br />そのおばあさんはお手玉が上手でよく見せてくれたそうです。<br />おじいさんが子供の頃に。<br /><br />きっと、お盆で里帰りしていたおばあさんなんだと思います。
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<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/5362114.html">
<title>隠せないタブー</title>
<link>http://100story.seesaa.net/article/5362114.html</link>
<description>小さな頃から怪談話が好きで、夏休みにはお昼に放送する「あなたの知らない世界」が大好きでした。大人になってから、インターネットのサイトを開きました。子供の頃から聞き覚えた怖い話を、思い出すままに書き連ねていくサイトです。素人の手作りサイトではありましたが、細々と続けていくうちにお客様も増えていたようです。ある読者の方からメールをいただきました。自分のこんな体験を掲載して欲しい。と。正直自分の記憶だけに頼っていてはネタが尽きそうだったので、それを機会に怖い体験談を募ってそれも掲載...</description>
<dc:subject>０４１~０５０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-07-26T01:27:02+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
小さな頃から怪談話が好きで、夏休みにはお昼に放送する「あなたの知らない世界」が大好きでした。<br />大人になってから、インターネットのサイトを開きました。<br />子供の頃から聞き覚えた怖い話を、思い出すままに書き連ねていくサイトです。<br />素人の手作りサイトではありましたが、細々と続けていくうちにお客様も増えていたようです。<br /><br />ある読者の方からメールをいただきました。<br />自分のこんな体験を掲載して欲しい。と。<br />正直自分の記憶だけに頼っていてはネタが尽きそうだったので、それを機会に怖い体験談を募ってそれも掲載するようになりました。<br /><br />何人かの方から体験談をいただきました。<br />でも、一番多くのお話を寄せてくれたのは、最初にそのメールをくれた人でした。<br />その人を仮にＡさんとします。<br /><br />掲載している話が増えたので、サイトを整理してみることにしました。<br />投稿談も分類し、特にＡさんは数が多いので専用の分類をもうけました。<br />そうしてＡさんの話を見比べてみると、ある特徴に気が付きました。<br />Ａさんの親類やＡさんの田舎などにまつわる話が多いのです。<br />他の人にあるような、「ある日偶然町で遭遇した」と言う類の話はありませんでした。<br /><br />Ａさんの叔母さんが子供の頃に見た不思議な生き物の話。<br />実家のご近所さんの蔵にあった奇妙な組木細工の話。<br />田舎へ通じる道にある７つのお地蔵さんの話。<br />おじいさんが若かった頃の写真に写るご先祖の話。<br /><br />全部Ａさんの作り話だったのかも知れませんが、どの話も創作とは思えない素朴なリアリティがありました。<br />それに話の内容にこれだけ偏りがあるのも、体験に基づく話だからだと思いました。<br /><br />あるとき、Ａさんからいつもとは違うメールが来ました。<br />今まで掲載した話を削除して欲しいとのことでした。<br /><br />実家の親類に私のサイトの存在が知られた。<br />話の内容から、Ａさんが話を提供していることが分かってしまった。<br />そして、Ａさんに注意というか警告が来たそうです。<br />Ａさんの話は、いろいろと地元の禁忌に触れる話だったそうです。<br />そのことでかなり怒られているようでした。<br />これは嘘だと思いましたが、Ａさん自身の身も危ないのだそうです。<br /><br />もったいないとは思いましたが、Ａさんの話はすべて削除しました。<br />削除したことをメールで伝えましたが、Ａさん宛のメールはunknownで戻ってきてしまいました。<br /><br /><br />あれから数年が経ちました。<br />インターネットは当時と比べて格段に進歩し、たいていのことはネットで調べてどうにかなるような時代です。<br />私の個人サイトは既に閉鎖していますが、あいかわらずネット上で怪談話を読むのが好きです。<br /><br />そのなかに、私がＡさんから聞いた話と非常によく似た話がありました。<br />昔の私のサイトを読んだ人が転用したものなのか。<br />Ａさんと同様に、その地域で育った人が書いたものなのか。<br />詳細は分かりません。<br /><br />インターネットに流れた情報は、容易にとめることができません。<br />それを読んだ人たちは大いに興味をそそられて、勝手にいろいろ調査を進め始めたようです。<br />私のサイトには書きませんでしたが、今回はＡさんの地元の実名まで知られました。<br />興味本位で近づく人たちがＡさんの地元のタブーに触れたとき、何か良くないことが怒るのではないかと心配しています。
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<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/4240713.html">
<title>鏡越しの顔</title>
<link>http://100story.seesaa.net/article/4240713.html</link>
<description>夜に帰宅するとき、いつもの電車に乗り込んだ。最初は空いているが、いつも後から混んでくる。目の前に一人の若い女性が立っていた。開かない方のドアを背に、文庫本を読んでいる。長い黒髪の地味そうな子だった。自分はちょっと距離をおいて立っていたが、次第に乗り込んでくる人に押されて近づいてしまう。真正面から女性と向き合うのも気まずいので、ちょっと身体をずらしてあげた。ふとドアのガラスを見ると、外が暗いので自分の顔が映って見える。すぐ隣には例の女性の後ろ姿が。なんとなく違和感を感じて、よく...</description>
<dc:subject>０４１~０５０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-06-09T20:24:28+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
夜に帰宅するとき、いつもの電車に乗り込んだ。<br />最初は空いているが、いつも後から混んでくる。<br /><br />目の前に一人の若い女性が立っていた。<br />開かない方のドアを背に、文庫本を読んでいる。<br />長い黒髪の地味そうな子だった。<br />自分はちょっと距離をおいて立っていたが、次第に乗り込んでくる人に押されて近づいてしまう。<br /><br />真正面から女性と向き合うのも気まずいので、ちょっと身体をずらしてあげた。<br />ふとドアのガラスを見ると、外が暗いので自分の顔が映って見える。<br />すぐ隣には例の女性の後ろ姿が。<br /><br />なんとなく違和感を感じて、よくよく見てみた。<br />ガラスの鏡越しに。<br />光の反射の関係か、女性の髪がやけに白く見える。<br />目の前の実物女性は、ちゃんと黒髪なのに。<br /><br /><br />さらに車内が混んできた。<br />女性とかなり密着してしまう状況になった。<br />あまりに近いので、女性も本を読んでいられなくなった。<br />こちらに背を向け、窓の外を見ている。<br />やっぱり女性の後頭部も髪は黒かった。<br /><br />すぐ隣でイヤホンを付けた若い男性が、混んでいる車内でやけにソワソワし始めた。<br />顔を伏せて、ちらちらと目線を上げたり下げたり。<br />それに妙に身体を突っ張って、ドアから離れようとしている感じだった。<br /><br />その原因は自分にもすぐ分かった。<br />ドアガラスの鏡越しに見える女性の顔が、<b><font color="red">白髪の老婆の顔だった</font></b>からだ。<br /><br />女性はしっかり立っていて動かない。<br />だけど鏡越しのその老婆は、首をかしげながらこちらを交互に見上げている。<br />明らかにその男性とこちらを見ているようだった。<br /><br />例えば道で幽霊に出くわしたとしたら、一目散に逃げるだろう。<br />だけど混んでる車内で、得体の知れないものに密着させられている。<br />必死で女性から離れようと動いて、周りから肘打ちされたりした。<br />隣の男性は、必死な顔でイヤホンをちぎるように耳から外していた。<br /><br />ようやく駅について、二人同時に「降ります！」と叫んで人混みをかき分け、反対のドアから飛び出した。<br />そして振り返ると、まだ車内にはたくさんの人がいるのに、ホームの向こうのドアに映る老婆が人の隙間からはっきり見えた。<br />電車が発車して動き出すまでの数秒間、ずっと老婆はこちらを見ていた。<br /><br />電車が走り去った後、一緒に呆けている男性と目が合った。<br />言わなくても分かるが、一応聞いてみた。<br />「君も見ましたよね？」<br /><br />同時に彼も口を開いた。<br />「<b><font color="red">聞こえましたか？</font></b>」<br /><br />彼のイヤホンから、音楽の代わりに老婆が何か呟く声が流れてきたそうだ。<br />今も耳に残って離れないと言う。<br /><br />あれが何だったのか一切分からない。<br />ただ、あのときイヤホンを使っていなくて良かったと思った。
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<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/4115957.html">
<title>許されていない過ち</title>
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<description>仲の良かった先輩が職場を辞めて、家業を継ぐために実家に帰りました。それから半年ほど経ってから知ったのですが、先輩は実家の裏山にある川に身を投げて亡くなったそうです。帰ってから一ヶ月ほどでのことだったそうです。家業が行き詰まっていたわけでもなく、一緒に田舎へついていった奥様も原因の心当たりが無いらしいです。先輩が会社を辞めるときの送別会の帰りに、電車で二人きりになったときに聞いた話を思い出しました。先輩が産まれ育ったのは北関東の山間部で、実家の裏が山になっていてよく遊んだそうで...</description>
<dc:subject>０４１~０５０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-06-04T01:05:59+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
仲の良かった先輩が職場を辞めて、家業を継ぐために実家に帰りました。<br />それから半年ほど経ってから知ったのですが、先輩は実家の裏山にある川に身を投げて亡くなったそうです。<br />帰ってから一ヶ月ほどでのことだったそうです。<br />家業が行き詰まっていたわけでもなく、一緒に田舎へついていった奥様も原因の心当たりが無いらしいです。<br /><br />先輩が会社を辞めるときの送別会の帰りに、電車で二人きりになったときに聞いた話を思い出しました。<br /><br /><br />先輩が産まれ育ったのは北関東の山間部で、実家の裏が山になっていてよく遊んだそうです。<br />２つ下の弟がいて、しょっちゅう山の中に行って追いかけっこしたりヒーローごっこをしていたそうです。<br /><br />先輩が小学校１年生の時、一緒に遊んでいた弟さんが川に落ちて亡くなりました。<br />両親はとても悲しんでましたが、先輩に対してはあまり怒ったりしなかったそうです。<br />兄が目を離したのは悪いけど、事故はしょうがないと。<br />それからは高校を卒業するまで実家で暮らしていましたが、裏山に行くことは禁止されていて、二度と行くことはなかったそうです。<br /><br />でも、実際には何度か行ったことがあるそうです。<br />一度目はただ遊びに。<br />その後は、そこに<strong><span style="color:#FF0000;">まだ弟さんがいる</span></strong>のかを確かめに。<br /><br />何年かおきに山に行くのですが、いつも同じその場所に弟さんが立っているそうです。<br />そして、まだ自分が許されていないことを知るのだそうです。<br /><br />「でも、事故なんだから、弟さんも先輩を恨んだってしょうがないじゃないですか」<br />理不尽で不思議な話に口を挟みました。<br />「遊んでるときに<strong><span style="color:#FF0000;">あいつを突き落としちゃったんだよ</span></strong>」<br />そう言って先輩はうつむいていました。<br /><br />高校を卒業するまで弟さんはそこにいたそうです。<br />それから実家を出るために無理に進学して上京し、就職して実家にも帰らなかったそうです。<br />ずっと帰らないつもりだったけど、どうしても実家の都合で今回帰ることになってしまったそうです。<br /><br /><br />実家に帰ったとき、弟さんがまだいたのでしょうか。<br />今となっては確かめることはできません。
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<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/3829291.html">
<title>彼女の最後の姿</title>
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<description>３年ほど通い続けている美容院があります。なじみの美容師さん（Ａさん）をいつも指名していて、お互いのプライベートなことまで話す仲なのです。いつも指名するのはＡさんですが、他のスタッフも顔なじみです。中でも受付と会計をいつもしてくれる子（Ｂさん）は明るくてかわいい子なのでよく覚えていました。昨日髪を切りに行ったとき、受付はいつものＢさんではありませんでした。あれ。めずらしいな。とは思いましたが、特に不思議には思いませんでした。カットしてもらってる最中にちょっとＡさんが離れたとき、...</description>
<dc:subject>０４１~０５０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-05-23T01:35:19+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
３年ほど通い続けている美容院があります。<br />なじみの美容師さん（Ａさん）をいつも指名していて、お互いのプライベートなことまで話す仲なのです。<br />いつも指名するのはＡさんですが、他のスタッフも顔なじみです。<br />中でも受付と会計をいつもしてくれる子（Ｂさん）は明るくてかわいい子なのでよく覚えていました。<br /><br />昨日髪を切りに行ったとき、受付はいつものＢさんではありませんでした。<br />あれ。めずらしいな。とは思いましたが、特に不思議には思いませんでした。<br /><br />カットしてもらってる最中にちょっとＡさんが離れたとき、鏡の中にＢさんが見えました。<br />やっぱりいるじゃん。<br />鏡越しにＢさんへ手を振ってみました。<br />けれども気づいてくれません。<br />あんまり派手に手を振るのも変なので、そのときは挨拶をあきらめました。<br /><br />Ａさんといつものたわいない会話を楽しみながらカットを終えて、会計を済ませました。<br />このときもＢさんは見あたりませんでした。<br /><br />帰宅する途中、Ａさんから携帯にメールが届きました。<br />いつもの「ありがとうございました。またお願いしますね！」てな感じのメールです。<br />こちらも、「ご挨拶できなかったけど、Ｂさんにもよろしくお伝えください」という内容のメールを送りました。<br />すぐに来た返事には「Ｂさんは先週で辞めたよ」とのこと。<br />さっき店内でＢさんを見たことをすぐメールしました。<br />すると、Ａさんからの返事は来なくなりました。<br /><br /><br />その後、Ａさんはお店を変わりました。<br />連絡をもらったので、私もＡさんのいる新しいお店へ行くことにしました。<br />そこで、前回のことを教えてもらうことができました。<br /><br />以前のお店ではスタッフ同士のいじめがひどくて、Ｂさんも悩んでいたそうです。<br />そして、突然店に来なくなってしまったそうです。<br />私が店に行ったときには既に解雇が決まっていたそうです。<br />で、私からのメールを受けて、慌ててＡさんたちが店内を見て回ったそうです。<br />行方不明だったＢさんは、スタッフ控え室の奥の物入れで<span style="color:#FF0000;"><strong>首を吊っていた</strong></span>そうです。<br /><br />発見したのがまだ営業中で、大騒ぎになってしまったそうです。<br />結局他のスタッフも辞めたりで散り散りになり、お客も減って閉店寸前だそうです。<br /><br />話を聞いて疑問に思ったことがあります。<br />私が鏡で見たＢさんは、亡くなる直前の最後の姿だったのでしょうか。<br />しばらく音信不通だったＢさんが店内に現れたら、誰か気づいて話しかけると思うのですが。<br />Ａさんはまだ何か話してくれてないような気がします。<br /><br />ＡさんとＢさんとの関係がどうだったのかを本人に聞くわけにもいかず、今後もＡさんの元に通うかどうするか迷っています。
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<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/3483332.html">
<title>ここも敷地内だった</title>
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<description>わたしの会社の隣には駐車場があった。そこに、去年からビルの新築工事が始まった。更地だったところを掘り返し、地下からの工事をしている。地上にはフェンスが張り巡らされているが、隣のビルからは中の様子がよく見える。だんだんと地下深くまで掘り下げられている様子が、日々見て取れた。最初のうちは「朝顔の観察日記みたいに写真撮ってみようか」などと職場の友達と冗談を言い合っていた。何日か経つとだれも窓から眺めなくなった。観察に飽きたせいもあるが、それだけではないような気がした。窓から工事現場...</description>
<dc:subject>０４１~０５０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-05-07T09:58:52+09:00</dc:date>
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わたしの会社の隣には駐車場があった。<br />そこに、去年からビルの新築工事が始まった。<br /><br />更地だったところを掘り返し、地下からの工事をしている。<br />地上にはフェンスが張り巡らされているが、隣のビルからは中の様子がよく見える。<br />だんだんと地下深くまで掘り下げられている様子が、日々見て取れた。<br />最初のうちは「朝顔の観察日記みたいに写真撮ってみようか」などと職場の友達と冗談を言い合っていた。<br /><br />何日か経つとだれも窓から眺めなくなった。<br />観察に飽きたせいもあるが、それだけではないような気がした。<br />窓から工事現場を見下ろしていると、なんだか焦燥感のようなものが沸き上がってきた。<br />吐き気のようなものも感じた。<br />窓際の会議卓も敬遠されるようになっていたから、みんなも同じような感じだったのかも知れない。<br /><br />ある日、工事現場に救急車が来た。<br />作業員が運び出されたそうだ。<br />ちょうどその頃、夜に工事現場で人魂を見たとかいう怪談話も社内で広まっていた。<br />「多分あの地下には死体が埋まってるんだよ」などと言う噂もあった。<br /><br />勝手な憶測を隣でしていると、ある朝に工事現場でイベントが行われた。<br />地鎮祭のような神主さんではなく、お坊さんらしき人が来ていた。<br />改めてご供養をする羽目になったんだなと想像した。<br /><br />工事現場の人に直接事情を聞くわけにはいかなかったが、同僚が証拠を入手してきた。<br />写真週刊誌の記事にその現場の話題が出ていた。<br /><br />「昔の豪族が村人や使用人を惨殺して埋めた跡地が見つかった」とか言う内容だった。<br />地元の古い記録と、今回の工事現場の様子が一致していたらしく、実際に人骨が出てきたそうだ。<br /><br />記事には当時と現在の地図の比較もあった。<br />昔の異常者がたくさんの死体を埋めたと言われる箇所は、まさしく工事現場と<b><font color="red">うちの会社の敷地だった。</font></b><br /><br />それを知ってからは、なるべく夜に一人で残業しないように、地下の倉庫に用事を作らないように気を付けている。
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<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/3273909.html">
<title>警察の怪談</title>
<link>http://100story.seesaa.net/article/3273909.html</link>
<description>ある夜中に車を走らせていると、道端で一台の車がハザードランプを灯して停車しているのに気がついた。運転手らしき人が道に倒れている人を救護しているのに気がついて、慌てて自分も停車した。倒れているのは若い女性で、目立った外傷は見られなかったが、夜中なんでよくわからない。先に救護していたその人は、大丈夫。息はある。と言っていた。救急車を呼ぼうと言うと、自分たちで運んだほうが早いという。で、彼の車は座席に荷物が満載なので、こっちの車に乗せようと言い出した。倒れている人は動かさないほうが...</description>
<dc:subject>０４１~０５０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-05-02T23:48:26+09:00</dc:date>
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ある夜中に車を走らせていると、道端で一台の車がハザードランプを灯して停車しているのに気がついた。<br />運転手らしき人が道に倒れている人を救護しているのに気がついて、慌てて自分も停車した。<br /><br />倒れているのは若い女性で、目立った外傷は見られなかったが、夜中なんでよくわからない。<br />先に救護していたその人は、大丈夫。息はある。と言っていた。<br />救急車を呼ぼうと言うと、自分たちで運んだほうが早いという。<br />で、彼の車は座席に荷物が満載なので、こっちの車に乗せようと言い出した。<br /><br />倒れている人は動かさないほうがいいのでは？とは思ったが、一刻を争うような彼の慌てた様子に押されて承諾した。<br />車の後部座席に二人で運び上げる最中に聞いてみたが、彼も女性が路上に倒れているのを見つけただけで事情は知らないらしい。<br /><br />自分はこのあたりに詳しくないので、救急病院の場所がわからない。<br />彼にそう言うと、先導するからついて来いと言う。<br />ところが、いざ自分の車に乗り込もうとすると、彼は先に車を出して猛スピードで走り出した。<br />慌てて後を追うが、後部座席に寝かせた女性が気になって、どんどん引き離される。<br />まっすぐな道のずっと先に、彼の車の灯りが小さくなっていく。<br /><br />ふと、前方の灯りの動きが大きく乱れ、不自然な形で止まった。<br />事故したとすぐにわかった。<br />すぐに追いついて事故車に駆け寄ると、脇のガードレールに突っ込んで止まっていた。<br />手前から何度かガードレールにぶつかっていたようだった。<br />彼はハンドルにもたれたままうつむいていた。<br />何か呟いているから、生きている。<br />これはもう手に負えないな。と判断し、救急車と警察に電話で連絡した。<br /><br />ふと、彼の車の後部座席に人が乗っているのが見えた。<br />荷物なんかなく、人が一人いるだけ。<br />一目見て、さっきの倒れていた女性と同じ人だとわかった。<br />慌てて自分の車に駆け寄った。<br /><b><font color="red">後ろに寝かせていたはずの女性はいなくなっていた</font></b>。<br /><br />彼の車に戻って、何があったのかなんとか聞き出した。<br /><br />もともとは彼が女性を跳ねてしまったらしい。<br />女性が死んでいるのがわかったが、人が来たのでそいつにまかせてしまおうととっさに思ったらしい。<br />最初から自分の車に死体を乗せて、置き去りにして逃げるつもりだったそうだ。<br />逃げながらバックミラーで確認しようとしたら、座席にさっき死なせた彼女が座っているのが見えて、慌てて事故を起こしたらしい。<br /><br />そんなことでひき逃げの罪を他人にかぶせられるのか疑問に思ったが、極度に慌ててる人の考えることはその程度なのかもしれない。<br />警察にどう言ったものか困ってしまったが、とりあえず正直にあったことと聞いた話をそのまま伝えた。<br />絶対に信じてもらえないと思ったが、現場で会った警官の対応はなんとも普通だった。<br />逆にこっちがびっくりして聞き返してしまった。<br />「こういう話はよくあるんですか？」<br />「不思議な話はいろいろ聞くから驚かないね。自分が処理するのは初めてだけど」<br />酒の席でちょくちょくこの手の話が出るらしい。<br />今回の件もネタにされるのだろうか。<br /><br />報告書類にどう書くのか興味があったが、それは見せてもらえなかった。
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</item>
<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/3025224.html">
<title>掲示板の向こう側</title>
<link>http://100story.seesaa.net/article/3025224.html</link>
<description>自分が体験した訳じゃないですけど、他人が体験している最中に遭遇したことがあります。インターネットの掲示板で、不思議な話をみんなが持ち寄っている板があります。たまに面白い話が投稿されているので、時々覗いていました。その日見た話は、時刻を見ると数分前の投稿でした。たった今帰宅するとき、道ばたで数人の子供達が遊んでいた。ずいぶんな夜中なので、奇妙な感じだった。という、たわいもない話でした。その他には特に面白い話もなかったので、ちょっとした戯れに書き込んでみました。「その子達はあなた...</description>
<dc:subject>０４１~０５０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-04-18T16:56:37+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
自分が体験した訳じゃないですけど、他人が体験している最中に遭遇したことがあります。<br /><br />インターネットの掲示板で、不思議な話をみんなが持ち寄っている板があります。<br />たまに面白い話が投稿されているので、時々覗いていました。<br />その日見た話は、時刻を見ると数分前の投稿でした。<br /><br /><blockquote><br />たった今帰宅するとき、道ばたで数人の子供達が遊んでいた。<br />ずいぶんな夜中なので、奇妙な感じだった。<br /></blockquote><br />という、たわいもない話でした。<br /><br />その他には特に面白い話もなかったので、ちょっとした戯れに書き込んでみました。<br />「その子達はあなたの部屋まで付いてきてるかもね。気を付けて」<br />たった今この話を書き込んだ人が、まだ掲示板を覗いていて、これを読んだら驚くかも。<br />それくらいの軽い気持ちでした。<br />もう一つ、不安がらせるために書き込みしました。<br />「玄関でピンポン鳴っても、開けちゃだめですよ」<br /><br />しばらくしてからもう一度掲示板を覗いてみると、新たな書き込みがありました。<br />「今チャイムが鳴った。開けなかったけど。開けたらどうなってたんだろう？」<br /><br />でまかせで言った通りのことが起こったというので驚きました。<br />パソコンの向こうで怯えている人がいます。<br />けれども、こっちだってとまどっています。<br />軽いいたずらのつもりだったけど、実はいたずらされているのはこちらなのでしょうか。<br /><br />「開けたらどうなってたんだろう」の言葉に返事を書きました。<br />「そりゃあ、中まで入ってきて大変なことに」<br />もう入って来たと返事があったら、どうしたらいいのでしょうか。<br /><br />ひどく取り乱した様子で返信がありました。<br />「窓ガラスに手跡がついている。もう入って来ているかも知れない」という内容でした。<br /><br />話が出来すぎているような気がしてきました。<br />こちらが書いた内容に合わせて、ありもしないことを書いているのではないでしょうか。<br />そう思うと、こちらはさっきまでと違い余裕が出てきました。<br /><br />「部屋の四隅に盛り塩してみて」<br />まさか本当にやらないだろう。と思いつつ、そんなアドバイスを言ってみました。<br />盛り塩がどんな効果を持つのかなんて知りませんし。<br /><br />しばらくしてまた返事がありました。<br />盛った塩の山がいつの間にか崩れている。<br />ちょっと目を離した隙に、目の前の盛り塩もつぶれている。<br /><br />本当だったら怖いだろうな。と思いながら、わたしはこのやりとりにも飽きてきていました。<br />「もうどうしようもない。あきらめて」<br />そう書いて突き放し、あとのことはほったらかしで寝てしまいました。<br /><br /><br />夢を見ました。<br />人通りのない夜道で小さな子供達が輪になって歌を歌っている姿。<br />そこを大人が通りかかって、子供達が後に付いていきます。<br />玄関のドアで閉め出され、懸命に背伸びしてチャイムを押す子供。<br />元気のいい子が木に登って、ちょうど開いた窓から中に入って。<br />大人が机で何かしてる間に、玄関を開けて仲間を入れました。<br />そのうち大人がお皿に塩を盛り始めました。<br />一人がそれを蹴り飛ばすと大人がびっくりしています。<br />みんなまねして全部蹴飛ばしました。<br />また大人は机に向かったまま動かなくなりました。<br />子供達も退屈して寝てしまったようです。<br />朝になり、子供の一人がテレビを付けました。<br />楽しそうに早朝のアニメを見ています。<br /><br />そこで目が覚めました。<br />夕べの出来事があったから、こんな夢を見たのでしょう。<br />途中までは掲示板のやりとりそのものでしたから。<br /><br />掲示板を確認しましたが、その後の書き込みはありませんでした。<br />夕べの彼がまた見るかどうか分かりませんが、<br />「おはよう。アニメが終われば帰ると思うよ」<br />とだけ書いてパソコンを閉じました。
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</item>
<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/2978671.html">
<title>おじいさんを看取る猫</title>
<link>http://100story.seesaa.net/article/2978671.html</link>
<description>わたしの実家でも猫を飼っていたことがあります。その猫はひいおじいさんにすごくなついていました。高齢だったのであまり部屋から出てこない人でしたが、たまに会うときはいつもその猫が一緒でした。今になって思うと、ひいおじいさんは少し痴呆気味だったような気がします。急に変な声を出したりするので、子供の頃のわたしはひいおじいさんが怖かったです。一緒にいる猫も痩せていて可愛くなくて、頭を撫でてあげた記憶もありません。家族のみんなも嫌いだったのでしょうか。誰もその猫と遊んだりしてた覚えがあり...</description>
<dc:subject>０４１~０５０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-04-15T19:55:45+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
わたしの実家でも猫を飼っていたことがあります。<br />その猫はひいおじいさんにすごくなついていました。<br />高齢だったのであまり部屋から出てこない人でしたが、たまに会うときはいつもその猫が一緒でした。<br /><br />今になって思うと、ひいおじいさんは少し痴呆気味だったような気がします。<br />急に変な声を出したりするので、子供の頃のわたしはひいおじいさんが怖かったです。<br />一緒にいる猫も痩せていて可愛くなくて、頭を撫でてあげた記憶もありません。<br />家族のみんなも嫌いだったのでしょうか。誰もその猫と遊んだりしてた覚えがありません。<br />そう言えば、名前も知りませんでした。<br /><br />そんなひいおじいさんは、わたしが小学校に上がる前に亡くなりました。<br />ダイオウジョウだったと親戚の人たちが言ってたのを覚えています。<br /><br />部屋でお医者さんが臨終を看取っていたとき、その様子を廊下から覗き見しました。<br />ひいおじいさんが寝ている布団の上にその猫が座っていました。<br />お葬式の時も、その猫は祭壇のすぐそばでずっと座っていました。<br />試しにお膳で出てきたお刺身を持って行ってみたのですが、見向きもされませんでした。<br /><br />実家は結構な山の中で、墓地も歩いていけるところにありました。<br />みんなで歩いてお墓にお骨を納めに行きます。<br />お骨を先頭にした行列の更にその先頭に、あの猫がちまちまと歩いていました。<br />よっぽどひいおじいさんが好きだったんだなぁと思いましたが、みんな静かに歩いているので私も黙っていました。<br /><br />納骨を終えて家に戻って、ご飯を食べてお風呂に入って。<br />いつもひいおじいさんと一緒だったあの猫は、今はどこで過ごしているんだろう。<br />ふと疑問に思いました。<br /><br />いつものひいおじいさんの部屋を覗いたけど、いませんでした。<br />お仏壇の部屋も探したけどいませんでした。<br />そして、子供だったわたしは、いつの間にか猫の存在も忘れていつもの生活に戻っていました。<br /><br /><br />今では私も大人になって、結婚して息子も産まれました。<br />息子がどうしてもとお願いするので、我が家でも猫を飼うことにしました。<br />家族でその話をしているとき、急にあのときの猫のことを思い出しました。<br />思い出すにつれて、あのときは感じなかったけど今思うと不思議なことがいろいろ出てきました。<br /><br />痴呆だったおじいさんが、ちゃんと猫の世話をしていたはずがありません。<br />だけど、あの家で猫の餌をあげたり糞の始末をしていたのを見たことはありませんでした。<br /><br />ある確信を持って、実家の母に電話で聞きました。<br />「うちって、昔猫を飼ってたよね？」<br />「ああ、いたよ。よく覚えてたね」<br />「その猫っていつまでいたの？」<br />「えっと・・おまえが歩き始めた頃だから・・何年前？」<br /><br /><br />「いや、わかった、ありがとう」<br />「懐かしいねぇ。おじじによくなついてて、猫死んじゃってからおじじがボケちゃって大変だったんだよ」<br /><br /><br />あの猫は、痴呆になってしまったひいおじいさんが心配で付き添っていたのでしょうか。<br />あれから２０年以上経っています。<br />今でも仲良く一緒にいたらいいですね。
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<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/2646518.html">
<title>長老猫との会話</title>
<link>http://100story.seesaa.net/article/2646518.html</link>
<description>引っ越し先のアパートの隣には、ごく普通の一軒家があった。何の変哲もないご家庭で、「チョーさん」という一匹の猫を飼っていた。深夜に帰宅したとき、アパートとの境の塀にちんまりとチョーさんが座っていることがある。相当高齢らしく、毛皮につやはなく目もどんよりしてる気がする。そんなチョーさんに声をかけたのは、ほんの気まぐれだった。「ただいま」「にゃあ」返事をした。ような気がした。その日は気のせいだと思ってやり過ごしたが、同じやりとりが何度も続いた。声をかけられると鳴くらしい。それだけだ...</description>
<dc:subject>０３１~０４０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-03-28T01:41:36+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
引っ越し先のアパートの隣には、ごく普通の一軒家があった。<br />何の変哲もないご家庭で、「チョーさん」という一匹の猫を飼っていた。<br />深夜に帰宅したとき、アパートとの境の塀にちんまりとチョーさんが座っていることがある。<br />相当高齢らしく、毛皮につやはなく目もどんよりしてる気がする。<br /><br />そんなチョーさんに声をかけたのは、ほんの気まぐれだった。<br />「ただいま」<br />「にゃあ」<br /><br />返事をした。<br />ような気がした。<br /><br />その日は気のせいだと思ってやり過ごしたが、同じやりとりが何度も続いた。<br />声をかけられると鳴くらしい。それだけだと思っていた。<br /><br />ある日曜の昼、外出しようと外に出た。<br />アパートの外階段を下りようとしたら、チョーさんが途中で寝ていた。<br />「ちょっと通るよー」<br />返事はなかった。<br />けど、チョーさんはのそっと動いて脇を空けた。<br />そこを通らせてもらい、２、３段下りたところで振り返った。<br />チョーさんもこっちを見ていた。<br />ばっちり目が合った。<br /><br />「ご飯食べたの？」<br />「にゃあ」<br />いつもの返事だった。<br />「何食べたの？」<br />返事はない。<br />答えにくかったのか。<br /><br />その日の夜帰宅するときにも、チョーさんは塀の上にいた。<br />いつもの挨拶をして通り過ぎようとしたとき、チョーさんに呼び止められた。<br />「ちょっと待って」とか言われた訳じゃない。<br />ただ「にゃあ」と鳴いただけだが、呼ばれた気がしたのだ。<br /><br />振り返ると、チョーさんは鼻で足下の何かをこちらへ押しやっていた。<br />小さな石ころのようだった。<br />取り上げてみると、茶色いキャットフードらしきものだとわかった。<br />「これがチョーさんのご飯？」<br />「にゃあ」<br />昼間の回答がこれなんだろうか。<br /><br />不思議な気持ちだったが、チョーさんなら何をしても不思議じゃないような気がした。<br />「ありがと」<br />キャットフードを返そうと手を伸ばしたら、その手をチョーさんが押し返した。<br />引っ掻くような猫パンチの動きじゃなく、ほんとうにゆっくりとこちらの手を遮って押し返してきた。<br />その人間くさい動作。<br />『いいからもっとけ』とでも爺さんに言われているようだった。<br /><br />「ありがと」お礼を言ってみた。<br />「にゃあ」いつのも返事だった。<br /><br />それからまもなく、チョーさんは静かに天寿を全うしたそうだ。<br />もうしばらく生きていたら、化け猫にでもなったのではないだろうか。<br /><br />今でもチョーさんからもらったキャットフードは棚に飾ってある。<br />もうちょっとチョーさんと話してみたかったと思う。
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</item>
<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/2337784.html">
<title>次に亡くなる家</title>
<link>http://100story.seesaa.net/article/2337784.html</link>
<description>去年、仕出し弁当屋で配達のバイトをしていた。たまに妙な客からの注文があった。怪しげなセミナーだったり、何かの撮影現場だったり。お葬式の会場に運ぶことも多かった。あるとき、郊外の小さな町へ弁当を届けに行った。そこでお葬式が行われていた。よくあるお葬式で何も変わったことはなかったのだが。次の週にも、その地区へ弁当を届けに行った。やっぱりお葬式だった。代金を払ってくれたのは、前回と同じおばさんだった。前回は地区の施設を使ったお葬式だったが、今回は故人の自宅らしかった。その次の週はシ...</description>
<dc:subject>０３１~０４０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-03-09T23:14:19+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
去年、仕出し弁当屋で配達のバイトをしていた。<br />たまに妙な客からの注文があった。<br />怪しげなセミナーだったり、何かの撮影現場だったり。<br />お葬式の会場に運ぶことも多かった。<br /><br />あるとき、郊外の小さな町へ弁当を届けに行った。<br />そこでお葬式が行われていた。<br />よくあるお葬式で何も変わったことはなかったのだが。<br /><br />次の週にも、その地区へ弁当を届けに行った。<br />やっぱりお葬式だった。<br />代金を払ってくれたのは、前回と同じおばさんだった。<br />前回は地区の施設を使ったお葬式だったが、今回は故人の自宅らしかった。<br /><br />その次の週はシフトに入っていなかったが、更に翌週はまたもその地区へ配達に行った。<br />あとで帳簿を見せてもらったら、５週連続で注文が入っていた。<br />お客さんの名前も注文の数もいつも同じだった。<br />注文しているのはあのおばさんかも知れない。<br /><br />今回も故人の自宅でのお葬式で、あのおばさんが会計をしてくれた。<br />聞いちゃいけないような気もしたけど、つい聞いてしまった。<br />「最近、こちらでお葬式が多くないですか？」<br />一瞬、おばさんの顔がこわばったように感じた。<br /><br />おばさんはだまって空を見上げた後、おかしな事を言った。<br />「そうだね。毎年この時期はね」<br /><br />「毎年なんですか？」<br /><br />「<b><font color="red">次はあの家だよ</font></b>」<br /><br />おばさんは無表情に通りの向こうのある家を指さした。<br />見ると、その家の玄関脇に赤い３０ｃｍ四方くらいの紙が貼ってあった。<br />何か丸い記号のようなものが書いてあった。<br /><br />そう言えば。<br />今いるこの家も、玄関に紙が貼ってあった。<br />「あの赤い紙は何なんですか？」<br />「そういうシルシだよ」<br /><br />もっと聞こうと思ったが、「もういいから帰りなさい」と言われてしまった。<br />そのあと、やはりその地区で同じおばさんから弁当の注文があったらしい。<br />気味が悪かったので、自分はその地区への配達を避けた。<br /><br />しばらくしてそのバイトはやめたので、弁当の注文がいつまで続いていたのかはわからない。<br />おばさんの話が本当なら、今年もあそこで毎週お葬式が行われているのだろう。
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/2144520.html">
<title>見知らぬ人のアドバイス</title>
<link>http://100story.seesaa.net/article/2144520.html</link>
<description>土曜の夜に終電で駅について、田舎道を一人歩いていた。ある角を曲がると、４~５人の子供が遊んでいた。手をつないでなにやら歌っている。小さな子達で、幼稚園くらいだったろうか。こんな夜中に変だな、とは思ったが、そのまま脇を通り過ぎた。ふっと、歌声が止まった。気になって振り返ってみると、子供達がみな自分を見つめていた。少し薄気味悪かったが、それを押し隠して「もう遅いから、早く帰りなさい」と声をかけた。返事はなかった。自分はそのままその場を去ったが、歌声は聞こえてこなかった。そう言えば...</description>
<dc:subject>０３１~０４０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-02-26T00:42:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
土曜の夜に終電で駅について、田舎道を一人歩いていた。<br />ある角を曲がると、４～５人の子供が遊んでいた。<br />手をつないでなにやら歌っている。<br /><br />小さな子達で、幼稚園くらいだったろうか。<br />こんな夜中に変だな、とは思ったが、そのまま脇を通り過ぎた。<br />ふっと、歌声が止まった。<br />気になって振り返ってみると、子供達がみな自分を見つめていた。<br /><br />少し薄気味悪かったが、それを押し隠して<br />「もう遅いから、早く帰りなさい」と声をかけた。<br />返事はなかった。<br />自分はそのままその場を去ったが、歌声は聞こえてこなかった。<br /><br />そう言えば。<br />角を曲がったらあの子達がいたが、角を曲がる前は歌声は聞こえなかった。<br /><br />そんな出来事を、帰宅してからネットの掲示板に書いた。<br />いろんなテーマの掲示板が集まっているところで、身の回りのちょっと不思議な話を話し合う掲示板もあった。<br />時々そこを読んでたのを思い出して、初めて書いてみたのだ。<br /><br />すぐに反応があった。<br />相手は知らない人。<br />「その子達はあなたの部屋まで付いてきてるかもね。気を付けて」<br />単なる冗談か嫌がらせだと思ったが、気になって窓から外を覗いた。<br /><br />自宅はマンションの３階にある。<br />窓を開けて下の道路を覗き込んだとき、パタパタと複数の小さな足音を聞いた気がした。<br />でも、人影はなかった。<br />そして不意に玄関のチャイムが鳴った。<br /><br />既に夜中の１２時を過ぎている。<br />不意に友人が訪ねてこないとも限らないが、さすがにいきなりドアを開けることは出来なかった。<br />覗き窓から確認すると、やはり誰もいない。<br /><br />そうだ、掲示板。<br />今のことを書き込もうとしたら、先に書き込みがあった。<br />「玄関でピンポン鳴っても、開けちゃだめですよ」<br /><br />「今チャイムが鳴った。開けなかったけど。開けたらどうなってたんだろう？」と書いてみた。<br />「そりゃあ、中まで入ってきて大変なことに」<br /><br />窓を開けっ放しだったのを思い出した。<br />慌てて閉めた。<br />そのとき、窓ガラスの異変に気が付いた。<br /><br />ガラスの外側は白っぽくホコリが付着しているが、一部そのホコリが取れていた。<br />ちょうど誰かが外からガラスを触ったように。<br />試しに腕を伸ばして自分で外側を触ってみた。<br />同じようにホコリが取れて、指が白くなった。<br />さっきはこんな風になってなかった。と思う。<br /><br />もう怖くて仕方が無く、今頼りになるのは掲示板しかない、と思っていた。<br />ガラスの件を書き込んだ。<br />「部屋の四隅に盛り塩してみて」<br />アドバイス通りに、盛り塩してみた。<br />四つ目の角に塩を盛ってから最初に置いた塩を見ると、既に大きく崩れていた。<br />二つ目も、三つ目も崩れていた。<br />傍らの四つ目に目を落とすと、それも崩れていた。<br /><br />泣きそうになりながら掲示板に結果を書き込む。<br />「<strong><span style="color:#FF0000;">もうどうしようもない。あきらめて</span></strong>」<br />その後、どんなに待っても書き込みはなかった。<br /><br />自分は寝ることも出来ずに一晩中パソコンの前で返事を待っていた。<br />いつの間にかウトウトし、そして朝になっていた。<br />目が覚める寸前、子供の笑い声を聞いた気がする。<br />慌てて起きると、テレビが付いていた。<br />早朝のアニメ番組だった。<br />ぼんやりしたままアニメを見た。<br />番組が終わる頃、パソコン画面を見直してみた。<br /><br />「おはよう。アニメが終われば帰ると思うよ」<br /><br />番組が終わるのを待って、テレビを消してすぐ部屋を出た。<br />ずっと外で時間を潰し、夜に帰宅してからは何もおかしなことは起こっていない。<br /><br />あの子達がいったい何だったのか、掲示板でいろいろ言ってきた彼はいったい何だったのか、何一つ分からないままだ。
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</item>
<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/1918131.html">
<title>あと５人</title>
<link>http://100story.seesaa.net/article/1918131.html</link>
<description>職場仲間の紹介で宝くじの共同購入サークルに参加していた。たいていはサマージャンボや年末ジャンボを３０人で３０万円購入分と言った買い方をする。友人の友人というつながりもいるので、参加してるメンバーを全て知っているわけではない。だから少額当選の場合にはいちいち分配せず、次の購入へ回すことが多かった。自分は参加してから２年続けていたが、みんなに分配するほどの高額当選は一度も無かった。サークルでサイトを立ち上げ、購入については掲示板で相談される。直接顔見知りでない集団なので、何人かの...</description>
<dc:subject>０３１~０４０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-02-12T22:06:26+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
職場仲間の紹介で宝くじの共同購入サークルに参加していた。<br />たいていはサマージャンボや年末ジャンボを３０人で３０万円購入分と言った買い方をする。<br />友人の友人というつながりもいるので、参加してるメンバーを全て知っているわけではない。<br />だから少額当選の場合にはいちいち分配せず、次の購入へ回すことが多かった。<br />自分は参加してから２年続けていたが、みんなに分配するほどの高額当選は一度も無かった。<br /><br />サークルでサイトを立ち上げ、購入については掲示板で相談される。<br />直接顔見知りでない集団なので、何人かの幹事役が集金したり結果を周知したりとマメに働いていた。<br />その他のメンバーは黙って出資するだけだったり、有名な売り場の情報を持ち寄ったりと、様々に関わっていた。<br /><br />ある時、メンバーの一人が海外旅行に行くついでに現地の宝くじを買ってこようと提案してきた。<br />日本でも何度か高額当選で話題になった宝くじで、街ぐるみの共同購入があったりという大がかりなものだった。<br />滅多にないイベントだからと出資金は高めに設定されたが、賛同者は２６人集まり結構な金額になった。<br /><br />そのメンバーは無事に旅行を終え、購入した証拠写真とか現地の盛り上がりを掲示板に寄せていた。<br />ついでに占い師に見てもらい、当選のお墨付きをもらった。<br />と興奮気味に書き込んでいた。<br /><br />日本でニュースになったときは一人あたり５億円を超えるという金額が話題になったのだが、お告げの結果では出資者一人あたり５０００万円ほどだという。<br />高額賞金で有名なくじの割には物足りないが、それでも本当に当たるのなら嬉しい。<br />当然、誰も占い師を本気で信じているわけではなかった。<br /><br />それから数日後。<br />職場の友人達４人が乗った車が高速道路で事故を起こし、４人とも亡くなってしまった。<br />４人とも宝くじサークルのメンバーだったので、掲示板に事故の報告をした。<br />直後にメールが届いた。<br />サークルの幹事役の一人からだった。<br /><br />「自分の友人達も最近３人が事故で亡くなった。全員 例のくじの出資者だった」<br />という内容だった。<br />慌てて確認してみると、今回の４人とも出資者だった。<br /><br />幹事役と相談して、出資者にそれとなく連絡を取ってみることにした。<br />自分が知っている出資者の情報も彼に伝えた。<br />２６人いた出資者のうち、連絡が取れたのは１０人ほどだった。<br />それ以外は音信不通。<br />既に事故死しているのが７人。<br /><br />これはただごとじゃないな。とやりとりしているうちに、職場の友人がもう１人事故死した。<br />やはり出資者の１人だった。<br />職場のサークルメンバーは自分を除いて全て死んだ。<br /><br />他のサークルメンバーも異常に気づき、掲示板では様々な憶測や議論が飛び交っていた。<br />自分が知らない詳細を調べてる人もいた。<br />分かっているだけで、１５人が死亡。<br />生きているのは誰？という問いかけには誰も応えなかった。<br />自分も応えなかった。<br />応えないと疑われる、とは分かっていた。<br />しかし、応えた途端に何かが起こるような気がした。<br /><br />連絡の付かないメンバーの捜索が本格的に行われた。<br />自分あの幹事役に無事を伝えておいた。<br />その結果、更に６人の死亡が確認されたそうだ。<br /><span style="color:#FF0000;"><strong>あと５人</strong></span>。<br /><br />例のくじの当選発表はあと４日だった。<br /><br />「Ａさんから連絡有り。存命」<br />「Ｂさんから連絡有り。存命」<br />そんな報告が掲示板に乗るようになった。<br /><br />恐ろしさのあまり職場も放棄して遠くに逃げ出した。<br />電車で地方まで行き、そこで掲示板を確認してみた。<br />「Ｃさんから今日は連絡無し」<br />自分はＣだった。<br /><span style="color:#FF0000;"><strong>あと４人</strong></span>。と誰かが言った。<br /><br />次の日には<span style="color:#FF0000;"><strong>あと３人</strong></span>と。<br /><br />実際には自分を入れて４人が生きている。<br />自分以外の３人は誰なのか全く分からない。<br />しかし、いつ自分の前に現れるか恐ろしかった。<br />そしておびえながら数日過ごし、当選発表の日を過ぎた。<br /><br />結果は、「１等当選無し」だった。<br /><br />掲示板に落胆のメッセージが次々書き込まれるなか、更に１人の死亡報告があった。<br />自殺だったという。<br />それはあの幹事役の彼だった。<br />出資者であることは知らなかった。<br /><br />その後はサークルと縁を切り、会社では職場放棄で怒られたが無事にいつもの生活に戻れた。<br />それでも時々、いつかあの幹事がやってくるのではないかとおびえている。
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://100story.seesaa.net/article/1822500.html">
<title>３年越しのメッセージ</title>
<link>http://100story.seesaa.net/article/1822500.html</link>
<description>ある晩帰宅したら、自宅の電話機がおかしなことになっていた。留守電にメッセージが残されたことを示す赤いランプが点滅している。それが、いつもの規則正しい点滅ではなく、不規則な明滅を繰り返している。不規則というか、リズムを刻んでいるようだった。トントン   トントン   トントン   と。試しにメッセージを再生してみた。いつもなら「メッセージは○件です」と言う音声が最初に流れるのだが、その日は違った。ピーと発信音がして、聞き取れない小さな声が聞こえて、切れた。「午前１１時３分です」...</description>
<dc:subject>０３１~０４０</dc:subject>
<dc:creator>黒鳥</dc:creator>
<dc:date>2005-02-04T02:56:42+09:00</dc:date>
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ある晩帰宅したら、自宅の電話機がおかしなことになっていた。<br />留守電にメッセージが残されたことを示す赤いランプが点滅している。<br />それが、いつもの規則正しい点滅ではなく、不規則な明滅を繰り返している。<br />不規則というか、リズムを刻んでいるようだった。<br />トントン　　　トントン　　　トントン　　　と。<br /><br />試しにメッセージを再生してみた。<br />いつもなら「メッセージは○件です」と言う音声が最初に流れるのだが、その日は違った。<br />ピーと発信音がして、聞き取れない小さな声が聞こえて、切れた。<br />「午前１１時３分です」電話機が音声を発した。<br /><br />この手の無言に近いメッセージは珍しくもない。<br />何かの勧誘電話だったんだろう。<br />続けてまた同じような無言のメッセージ。<br />最初の音声案内がなかったから、一体何件再生されるのか分からない。<br />メッセージを再生してる間、赤い灯りはずっとあの点滅を繰り返していた。<br /><br />そのうち、録音時刻の案内がおかしくなってきた。<br />時刻が前後している。<br />さっきは午後６時のメッセージだったのに、今のはまた午前１１時まで戻っている。<br /><br />どうやら録音テープに残ってた古いメッセージまで再生しているようだ。<br />いよいよ電話機の故障らしい。<br />８年くらい使ってたから、壊れてもおかしくない。<br /><br />突然、はっきり聞き取れる声が流れてきた。<br />電話機の合成音声ではなく、本物の女性の声だった。<br />女性は電話口でしきりと謝っている。<br /><br />思い出した。この声。<br />３年前に別れた彼女だった。<br />心臓が弱くて病弱な子で、そのせいかわがままな子だった。<br />ある日電話で口論して、一方的に電話を切ってそのまま外出したんだった。<br />携帯にかけられないよう、電源も切って。<br /><br />帰宅したら留守電が残っていた。<br />その子からだと分かった瞬間、再生を止めてそれっきりだった。<br />それからお互い連絡を取ることもなく、喧嘩から自然消滅した形だった。<br />あのとき最後まで聞かなかった留守電のメッセージが、３年たった今頃流れてきた。<br /><br />聞くに堪えないのですぐ止めようとした。<br />が、止まらない。<br />停止ボタンを押してもメッセージの再生が止まらない。<br /><br />電話の向こうの声は３年前の声なのだが、謝りながら泣く声は耐えられない。<br />そのうち、泣き声とともに妙な音も聞こえてきた。<br /><span style="color:#FF0000;"><strong>とっくん　　　とっくん</strong></span>　　<br />心臓の音に聞こえた。<br />はじめはかすかな音に気が付いたのだが、だんだん大きくなっていた。<br /><span style="color:#FF0000;"><strong>とんとん　　　とんとん</strong></span>　　<br />電話機の赤いランプとシンクロしていた。<br /><br />もしかして、一番最初から、この音は小さくなっていたのだろうか。<br /><br />コンセントを引っこ抜いた。<br />それでも、音とランプは消えなかった。<br />電話機を床に叩きつけたら、ようやく鳴りやんだ。<br /><br />メッセージに込められた何かが、たまたま再生されてしまったときに息を吹き返したのか。<br />そんなメッセージが残っていたから電話機がおかしくなったのか。<br />なんで今頃こんなことになったのか。<br />彼女とは３年連絡を取っていない。<br />今どうしてるのか、知る術もない。
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