2005年07月26日

隠せないタブー

小さな頃から怪談話が好きで、夏休みにはお昼に放送する「あなたの知らない世界」が大好きでした。
大人になってから、インターネットのサイトを開きました。
子供の頃から聞き覚えた怖い話を、思い出すままに書き連ねていくサイトです。
素人の手作りサイトではありましたが、細々と続けていくうちにお客様も増えていたようです。

ある読者の方からメールをいただきました。
自分のこんな体験を掲載して欲しい。と。
正直自分の記憶だけに頼っていてはネタが尽きそうだったので、それを機会に怖い体験談を募ってそれも掲載するようになりました。

何人かの方から体験談をいただきました。
でも、一番多くのお話を寄せてくれたのは、最初にそのメールをくれた人でした。
その人を仮にAさんとします。

掲載している話が増えたので、サイトを整理してみることにしました。
投稿談も分類し、特にAさんは数が多いので専用の分類をもうけました。
そうしてAさんの話を見比べてみると、ある特徴に気が付きました。
Aさんの親類やAさんの田舎などにまつわる話が多いのです。
他の人にあるような、「ある日偶然町で遭遇した」と言う類の話はありませんでした。

Aさんの叔母さんが子供の頃に見た不思議な生き物の話。
実家のご近所さんの蔵にあった奇妙な組木細工の話。
田舎へ通じる道にある7つのお地蔵さんの話。
おじいさんが若かった頃の写真に写るご先祖の話。

全部Aさんの作り話だったのかも知れませんが、どの話も創作とは思えない素朴なリアリティがありました。
それに話の内容にこれだけ偏りがあるのも、体験に基づく話だからだと思いました。

あるとき、Aさんからいつもとは違うメールが来ました。
今まで掲載した話を削除して欲しいとのことでした。

実家の親類に私のサイトの存在が知られた。
話の内容から、Aさんが話を提供していることが分かってしまった。
そして、Aさんに注意というか警告が来たそうです。
Aさんの話は、いろいろと地元の禁忌に触れる話だったそうです。
そのことでかなり怒られているようでした。
これは嘘だと思いましたが、Aさん自身の身も危ないのだそうです。

もったいないとは思いましたが、Aさんの話はすべて削除しました。
削除したことをメールで伝えましたが、Aさん宛のメールはunknownで戻ってきてしまいました。


あれから数年が経ちました。
インターネットは当時と比べて格段に進歩し、たいていのことはネットで調べてどうにかなるような時代です。
私の個人サイトは既に閉鎖していますが、あいかわらずネット上で怪談話を読むのが好きです。

そのなかに、私がAさんから聞いた話と非常によく似た話がありました。
昔の私のサイトを読んだ人が転用したものなのか。
Aさんと同様に、その地域で育った人が書いたものなのか。
詳細は分かりません。

インターネットに流れた情報は、容易にとめることができません。
それを読んだ人たちは大いに興味をそそられて、勝手にいろいろ調査を進め始めたようです。
私のサイトには書きませんでしたが、今回はAさんの地元の実名まで知られました。
興味本位で近づく人たちがAさんの地元のタブーに触れたとき、何か良くないことが怒るのではないかと心配しています。
posted by 黒鳥 at 01:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 041〜050 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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