2004年07月23日

亡き父に守られて

今度の披露宴でフォトムービーを流そうということになり、幼い頃の写真を取りに田舎の実家へ帰ったときの話です。

母はわたしの披露宴の段取りについて嬉しそうに聞いてくれました。
父を早く亡くして以来、一人で育ててくれた母です。
でも子供の頃の写真を使うと言ったら、急に難しい顔になって
「なっちゃん(わたし)が幼稚園のころの写真は、残ってないよ」
と言いました。

そんなの初耳でした。
ハイキングや海水浴に行ったときに写真を撮ってた覚えはあります。
母は、写真は撮ったけど処分したと言いました。
理由を聞いてもはっきり言ってくれませんでした。

しょうがなく一人で探してみると、本当に無いのです。
赤ん坊の頃やよちよちの頃の写真はあります。
小学生の頃の写真もあります。
でも、幼稚園のころの写真だけがありませんでした。

お遊戯会で友達が踊っている写真がありました。
でも、わたしが写ってる写真はないのです。
自分の記録がすっぽり抜け落ちていることにわたしはたまらなく悲しくなり、つい一人で泣いてしまいました。

そんなわたしに母が話しかけました。
「なっちゃんももう大人だから、本当のことをちゃんと話そうね」
そして母が話してくれました。
不思議な話でした。

わたしは幼稚園のころ、高熱を出して寝込んだことがあるそうです。
突然体中が熱くなって、白目をむいて泡を吹いて痙攣していたそうです。
そんな状態を見て、母はわたしの死を覚悟したそうです。
でもわたしは一晩でけろっと快復したんだそうです。
ただ、それからわたしの左腕は動かなくなってしまいました。
それはよく覚えています。
少しずつ動くようになり、小学校にあがる頃にはすっかり治っていました。

そして母はタンスの中から一つの箱を持ってきました。
箱の中には数枚の写真が入っていました。
小さな女の子の写真。わたしです。そして・・

「なっちゃんが退院した後しばらくの間、ずっとこんな写真だったの」
どの写真も、写真全体が白い光が斜めに射し込んでいました。
そしてわたしの周りに黒いモヤのようなものがありました。

何度もこのような写真が撮れるので、霊感が強いというある人に見せたそうです。
そしてその人が撮ったという写真もありました。

椅子に座ったわたしの左腕に蛇が巻き付いていました
そして、わたしのそばに人が立っていました。

「これはね、なっちゃんのお父さん」

その人が言うには、わたしはこの蛇の霊に憑かれて殺さるところだったそうです。
そして死んだお父さんが助けてくれたのだそうです。

わたしの腕が動くようになった頃から、写真におかしなものが写らなくなったそうです。
母は怖いもの大嫌いなわたしのために、写真を隠してこのことを内緒にしていたそうです。

話を聞きながらわたしはまた泣いていました。
幼い頃に亡くなった父の記憶はほとんどありませんでしたが、今では父にとても感謝しています。

父とわたしの写真は、今はわたしたちの新居で大切にしまってあります。
posted by 黒鳥 at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 001〜010 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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