2005年05月02日

警察の怪談

ある夜中に車を走らせていると、道端で一台の車がハザードランプを灯して停車しているのに気がついた。
運転手らしき人が道に倒れている人を救護しているのに気がついて、慌てて自分も停車した。

倒れているのは若い女性で、目立った外傷は見られなかったが、夜中なんでよくわからない。
先に救護していたその人は、大丈夫。息はある。と言っていた。
救急車を呼ぼうと言うと、自分たちで運んだほうが早いという。
で、彼の車は座席に荷物が満載なので、こっちの車に乗せようと言い出した。

倒れている人は動かさないほうがいいのでは?とは思ったが、一刻を争うような彼の慌てた様子に押されて承諾した。
車の後部座席に二人で運び上げる最中に聞いてみたが、彼も女性が路上に倒れているのを見つけただけで事情は知らないらしい。

自分はこのあたりに詳しくないので、救急病院の場所がわからない。
彼にそう言うと、先導するからついて来いと言う。
ところが、いざ自分の車に乗り込もうとすると、彼は先に車を出して猛スピードで走り出した。
慌てて後を追うが、後部座席に寝かせた女性が気になって、どんどん引き離される。
まっすぐな道のずっと先に、彼の車の灯りが小さくなっていく。

ふと、前方の灯りの動きが大きく乱れ、不自然な形で止まった。
事故したとすぐにわかった。
すぐに追いついて事故車に駆け寄ると、脇のガードレールに突っ込んで止まっていた。
手前から何度かガードレールにぶつかっていたようだった。
彼はハンドルにもたれたままうつむいていた。
何か呟いているから、生きている。
これはもう手に負えないな。と判断し、救急車と警察に電話で連絡した。

ふと、彼の車の後部座席に人が乗っているのが見えた。
荷物なんかなく、人が一人いるだけ。
一目見て、さっきの倒れていた女性と同じ人だとわかった。
慌てて自分の車に駆け寄った。
後ろに寝かせていたはずの女性はいなくなっていた

彼の車に戻って、何があったのかなんとか聞き出した。

もともとは彼が女性を跳ねてしまったらしい。
女性が死んでいるのがわかったが、人が来たのでそいつにまかせてしまおうととっさに思ったらしい。
最初から自分の車に死体を乗せて、置き去りにして逃げるつもりだったそうだ。
逃げながらバックミラーで確認しようとしたら、座席にさっき死なせた彼女が座っているのが見えて、慌てて事故を起こしたらしい。

そんなことでひき逃げの罪を他人にかぶせられるのか疑問に思ったが、極度に慌ててる人の考えることはその程度なのかもしれない。
警察にどう言ったものか困ってしまったが、とりあえず正直にあったことと聞いた話をそのまま伝えた。
絶対に信じてもらえないと思ったが、現場で会った警官の対応はなんとも普通だった。
逆にこっちがびっくりして聞き返してしまった。
「こういう話はよくあるんですか?」
「不思議な話はいろいろ聞くから驚かないね。自分が処理するのは初めてだけど」
酒の席でちょくちょくこの手の話が出るらしい。
今回の件もネタにされるのだろうか。

報告書類にどう書くのか興味があったが、それは見せてもらえなかった。
posted by 黒鳥 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 041〜050 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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