2005年01月16日

オービスに写ったもの

警察から連絡はがきが来ていた。
「自動速度取り締まり装置にて撮影された写真について」とか書かれていた。
要はオービスに引っかかったから出頭してこいって事。

身に覚えがあった。
夜中に宮城の街道を走っているとき、フラッシュが光った気がする。
一緒にいた友人も気が付いた。
観念して素直に出頭することにした。

警察署では、せまい取調室に通された。
窓には鉄格子があり、犯罪者向けの部屋だと実感できる。
オービスで撮られた写真を見せられ、日時やら速度やらいちいち確認された。
意外なほどくっきり写るものだと驚いた。
「急ぐ用事があったんですか?」
屈強な警察官が訪ねた。

その時は用事を終えて帰るところだった。
だから急ぐ必要はなかったのだが。
実は、ある有名な心霊スポットを見に行った帰りのことだった。
現地では特に変わったことはなかったのだが、その後ずっと二人とも寒気を感じ、車内でも寒い寒いと話していた覚えがある。
エアコンも急に使えなくなっていた。
なんとなく嫌な雰囲気を感じて、帰り道を急いでいたのだ。

そんな事情を話しても仕方ない。
「いえ、別に用事はなかったけど・・」
そんなあいまいな答えをするしかなかった。

「一緒乗ってる人の名前は?」
そんなことまで調書に書くとは知らなかった。
素直に友人の名前を答えた。
「もうひとりは?」

そんなのいない、いやもうひとり、と話が食い違い、もう一度写真を見せられた。
もうひとり、いた。
後部座席の真ん中に、顔ははっきり見えないが確かに人がいた。
運転席の自分と助手席の友人の顔ははっきり見えるのに、後ろの人影はそのまま影のようにぼんやりと暗かった。
だけど、人に見える。
それも、女子学生の制服を着ているように見えた。

「もしかして、君たち松島に行ってた?」
警官に聞かれた。
オービスに撮られる前に行ってた心霊スポットは、松島にある。
「やっぱりね。おもしろ半分でそう言うところに行かない方がいいよ」

その後、同乗者の名前は勝手に書かれて調書が作成された。
「何も書かないわけには行かないからね」
警官はそう言っていた。
帰り際に忠告された。
「早いうちに、お詫びしに行った方がいいよ」
前にもこういうことがあったんだと思った。

帰宅してからネットでそのスポットについて調べてみた。
 冷やかしで行ってはいけない。
 隣接する駐車場に車を停めてはいけない。
 現場でタバコを吸ってはいけない。
 車で訪れると、故障が多発するケースが多い。
全部当てはまった。

対処も書いてあった。
 線香をあげてごめんなさいと唱えてくること。
その通りにした。
効果はすぐに現れた。
当日から動かないままだったエアコンが使えるようになっていた。

それから時々、不意に車内が線香臭くなることがある。
今でもあの現場と車内がつながっているようで気味が悪い。
時々誰かがあそこに線香を供えているだろうし。
posted by 黒鳥 at 14:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 031〜040 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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