2004年12月22日

自宅からの無言電話

朝から雪が降り続ける中、いつも通り車で出勤した。
会社の営業車で事務所に出て、そのまますぐに外回りというのが日常。
雪道の運転にもすっかり慣れている。

そんな営業中に携帯が鳴った。
妻がいる自宅からの着信だ。
「どうした?」
出てみたが、何も聞こえない。

「もしもし?」
呼びかけても反応がない。
遠くでTVCMの曲が聞こえてくる。
通じてないわけじゃなさそうだ。

突然、赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
生後3ヶ月の息子だ。
泣きっぱなしで、あやされてる様子がない。
妻は何をしてるんだ?
いないのか?
でも、電話してきたんだからそばにいるはずなんだが。

偶然、今いるところから自宅までは近い。
様子を見に戻ることにした。
いったん電話を切り、すぐに車を出した。

家に着くまでの間、妻の携帯にも電話をかけたが出なかった。
不安といらだちを感じながらようやく自宅に着き、2階まで階段を駆け上って部屋に飛び込んだ。
テレビが付けっぱなしだった。
妻の姿はなく、ベビーベッドで息子がすやすや眠っていた。

ふと、部屋の中が妙に寒いことに気が付いた。
ストーブがついているのに。
理由はすぐ分かった。
ベランダへの窓が開けっ放しだからだ。

嫌な予感がして、ベランダへ出てみた。
洗濯物が入ったままのカゴが置いてある。
下を覗き込むと、いた。
妻が雪の中に倒れていた。

結局、妻は救急車で運ばれる羽目になったが、命に別状はなかった。
洗濯物を干してる最中にシャツを落としてしまい、それが中庭の木に引っかかったのでホウキで取ろうとしたらしい。
で、そのままバランスを崩して落ちたんだそうだ。
中庭に50cmくらい雪が積もっていたが、それでも2階から落ちたショックで気を失っていたらしい。
意識がないまま雪が降り積もり、発見が遅れていたら転落の怪我よりも寒さで危ない状態だったそうだ。
現に顔や指には軽い凍傷を負ってしまった。

凍傷はキレイに治り跡も残らなかった。
今では笑い話として人に言えるネタになっている。
だけど、妻を発見したいきさつはあいまいにごまかして話している。

あのとき、誰が携帯を鳴らしたのか。

去年亡くなった祖母が助けてくれたのかも知れないし、子供の頃に妻が飼っていた犬かも知れない。
自分は、息子が電話をかけて呼んだのだと思っている。
息子がしゃべれるようになったら聞いてみるつもりだ。
posted by 黒鳥 at 02:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 031〜040 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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